甘いハクサイの育て方は?

今年のハクサイを観察していると色々な事が繋がって見えてきた。

 

●ハクサイの長さは元肥の量に左右されている可能性が高い。

無肥料でのハクサイの長さが極端に低い。肥料がある部分ではいつも通り大きい。

昨年度のハクサイでも窒素10kg/反に減らした畑ではずんぐりむっくりした丈の短いハクサイが多かった。

定植時期が遅かったハクサイも短い傾向になる。

この事から、ハクサイの長さは元肥の量である程度決まる可能性が考えられる。勿論株間と定植時期で丈が変化するだろうが、そこで影響しているのはやはり吸収できる養分量の違いではなかろうか。

 

●ハクサイの甘さは光合成量に比例する可能性が高い。

ハクサイの結束紐が外れていた。試しに切って中心部分を食べてみるとほんのり甘かった。畑端で隣の列がない結束が外れていたハクサイはとても甘く、梨の様な食味であった。

ハクサイの甘さは光合成産物である「糖」がショ糖として蓄積したモノである。これにより体内の水溶液濃度が上昇して耐寒性が向上する仕組みもある。

ハクサイを甘くするには成長量より光合成量が優勢になる必要がある。その方法としては以下の事が考えられる。

・窒素肥料を控える。

→窒素が少なければ、植物体を作る事ができなくなるので、相対的に光合成優勢になる筈。

・物理的に受光態勢をよくする。

→今回の発見の様に結束をしない、隣の列がないなどより受光量を増やす設計にすれば光合成量は増える筈。

アミノ酸肥料・炭水化物肥料を使用する。

→炭水化物とはC+H²O。単純化して見ればそれは光合成産物(糖)と同じ。これに窒素(N)を足したのがアミノ酸。これらを肥料として吸収させる事ができれば、実質的に光合成産物が増える事になるので、光合成優勢になる筈。

最近有機質肥料を使う農家が増えているのはこれを狙っていると思う。

 

さて、次回のハクサイ栽培ではこれを取り入れてー

元肥は化成を今まで窒素12kg/反で使用していたトコロを10kg/反に控える。

追肥は化成だったトコロをアミノ酸肥料に変える。

葉面散布は今まで同様にお酢系の液肥を使うが、濃度を濃いめで毎回散布する。

結束作業は11月25日開始だったが、12月上旬開始にする。(試験的に結束なしの区、1列置きに植えた区を設定する)